会計処理の都合上という大きな問題がある。
イノベーションを必要と認識する多くの企業の共通点として、
いわゆるライフサイクルにおける、成熟期→衰退期の中にあるという状況が想定できる。
であるから、コストの削減を目的とした変革(?)を実行しつつ、
新たな成長(導入期→成長期、成長期→成熟期)を可能とする「イノベーション」の実現を試みようとする。
会計基準は元来何のために存在するものなのか?
おそらくは、投資家保護(+グローバルスタンダード)の観点からのものであると考えるが、
企業が新たな成長のために試みようとするイノベーションを阻害する状況においては、
投資家の利益を失わせ、投資家保護とは程遠い状況にあるのかも?と感じてしまう。
(日本が特にひどい状況なのは驚きだ。)
何を根拠としているかについては、以下、あずさ監査法人ホームページより引用抜粋させていただきます。
●無形資産(IAS38)
1.無形資産の定義
IAS38において、無形資産の会計処理を定めています。
そこにおいて、無形資産とは物的実在性をもたない非貨幣性資産で識別可能なものであり、財の生産、サービスの提供、他社への賃貸、組織の管理などの目的のために利用される資産とされています。ここにおける無形資産には、のれん、繰延税金、金融資産、リース、鉱業権、石油採掘権、保険契約から生じる無形資産などは含まれておらず、研究開発費、広告費、研修費、開業費等が対象となります。
2.会計処理
企業が対価を支払って取得した法律上の権利は、資産計上します。この点は、わが国の会計基準と同様です。
研究開発費については、IASは研究開発活動を研究段階と開発段階との2つの段階に区分します。研究段階とは、科学・技術の新知識・理解を得る目的で実行される創造的かつ計画性のある調査を実施している段階をいい、開発段階とは、研究の成果またはその他の知識を、材料、装置、製品、工程、システム、サービスなどの革新、または根本的改善のための計画または設計に応用する段階をいいます。
研究段階の支出は発生時の費用として認識し、開発段階の支出は、次のすべての要件が満たされる場合に、資産計上すべしとしています。
a)無形資産を完成して使用または販売可能にする技術的実行可能性があること
b)無形資産を完成し使用または販売する意思があること
c)無形資産を使用または販売する能力があること
d)無形資産が将来の経済的便益を生み出せること
e)開発を完了し、無形資産を使用または販売するための十分な技術、財務、その他の資源の利用可能性があり、ビジネスプランによって証明することができること
f)無形資産に帰属させる開発期間の支出を信頼性をもって測定できる能力、即ち明確な原価計算ができること
わが国の研究開発費に係る会計基準では、原則としてすべて発生時の費用として処理しなければならない点が、IASと異なっています。
(*IASとは、国際会計基準の旧称。現在は、IFRSと呼ばれている。)